20代前半の頃、私は医師から「子どもはできにくいかもしれない」と言われていました。
そのため、子どもを持つ未来はまったく期待していませんでしたし、正直なところ子ども自体もあまり得意ではありませんでした。
「それなら、一生仕事一筋で生きていこう!」
そう決めてからの頭の中は、いつも仕事のことばかり。 サロンを経営し、とにかく突っ走る毎日でした。今振り返ると、心からリラックスして楽しむような時間はあまりなかったかもしれません。
そんな私の人生観を180度ガラリと変えたのが、娘の存在でした。
性別のサプライズと、生まれた瞬間の不思議な愛おしさ
妊娠が分かったとき、子どもが得意ではなかった私は「本当に自分の子をかわいいと思えるんだろうか…」と不安でいっぱいで、助産師さんに何度も相談していました。
当時通っていた病院は、生まれるまで性別を教えてくれない方針。私は勝手に「きっと男の子だろうな」と思い込んでいました。
いざ出産を迎えた瞬間、ドラマのように感動で号泣……という感じではありませんでしたが、目の前に現れた赤ちゃんを見て、なんとも言えない不思議な愛おしさがこみ上げてきました。
そして助産師さんから「女の子ですよ!」と言われてびっくり! まさかの女の子だった驚きと嬉しさで、一気に心が華やいだのを覚えています。
生後1ヶ月が過ぎ、日々成長していく娘と向き合う中で、私の中にさらに大きな変化が生まれました。
「……なにこれ、毎日が楽しすぎる!!」
1日1日が、今まで味わったことのないワクワクと愛おしさでいっぱい。 世間でよく聞く「育児の大変さ」よりも、「楽しさ」が圧倒的に勝っていたのです。
25年続けた仕事を手放すという決断
出産後も数年間は仕事を続けていましたが、サロン経営というスタイルだと、どうしても娘とじっくり過ごす時間が削られてしまいます。
「娘とこんな風に密に過ごせる時間は、後からお金を払っても二度と戻ってこない」
そう強く感じ始めていた頃、社会はコロナ禍へ。自分の会社の業績が落ち込む一方で、夫の仕事が安定してくるなど、様々なタイミングが重なりました。
「今なら、子育てに専念できる環境が作れるかもしれない」
そう思い立ってから気持ちの整理がつくまでには、もちろん長い時間がかかりました。25年間、自分の青春やプライベートを捧げて築き上げてきたキャリアです。
でも、最後は迷いなく手放すことができました。 子育てに専念できるよう背中を押してくれ、環境を整えてくれた夫には、今でも心から感謝しています。
時代の波とは逆を行く選択
最近は、妊娠や出産を機に「ママ起業」を目指す方が増えていますよね。 そんな世の中の波の中で、私は「25年続けた起業を手放す」という真逆の道を選びました。
手放して一番良かったのは、やっぱり「時間と仕事に縛られない心のゆとり」です。
これから先、娘が大きくなったら、私はまた新しく何かを起業するかもしれません。
でも、今はこれでいい。 今しか味わえない娘との時間を、思いっきり、欲張りに楽しみたいと思っています♪